CELFの全社導入で分散していたファイル管理から脱却
データの一元管理・リアルタイム共有・更新が実現、
さらに若手育成にも活用
SCSKシステムマネジメント株式会社
業種: 情報通信業
対象部署: 全部門
対象業務: インシデント管理、資格・スキル管理、プロジェクト定期情報管理、営業管理
チームごとにファイル管理が属人化し、全社横断の共有も難しい
SCSKシステムマネジメント株式会社
データセンターサービス部 第二課
課長 葛岡 利信氏
SCSKシステムマネジメントは、システム運用サービスを主力事業としているSCSKのグループ会社だ。ITインフラやアプリケーションの運用管理、クラウドやセキュリティーにかかわる運用など幅広いITサービスを提供している。
「私が所属しているデータセンターサービス部には、担当する業務ごとに複数のチームが存在します。私自身はそのうちのいくつかチームについて、要員管理や品質管理、予算管理などのマネジメント業務を行っています」と話すのはSCSKシステムマネジメント データセンターサービス部 第二課 課長 葛岡利信氏だ。同部は、データセンターの運用・保守を一手に引き受けている。
そんな同社では、あらゆる業務管理においてExcelを活用しており、各チームは基本的にファイルサーバーを介してファイルを共有していた。一方でそのファイルの管理体制において課題があった。
「当社の業務形態には、お客様先に常駐する分室形態があります。その場合、ファイルサーバーにアクセスできないためにメールにファイルを添付して共有するのですが、そのときファイルのバージョンずれが起こってどれが最新のファイルなのか混乱することがありました」(葛岡氏)
また、同社ではインシデント管理もExcelで行っていたが、本部と事務機関のロケーションが物理的に離れた分室形態ゆえに、チームごとにバラバラでファイルを管理せざるを得ない状況であり、別チームへの横展開も難しく、誰が承認したかも明確でなかったという。
そこで同社では、ファイルの分散管理から脱却するべく、あらゆる管理業務を効率化できるソリューションの導入を検討し始めた。
「私はマネジメント管理についてのソリューションの運用に長くかかわっており、管理業務の合理化のためのソリューションを実際いくつか運用してきたのですが、これまでのソリューションは様々な問題を抱えており、データセンターサービス部だけでなく、全社的にさまざまな管理業務に活用できるソリューションを探し求めていました。」(葛岡氏)
専門知識がなくてもExcelライクに操作できるCELFを全社で一括導入
同社では2023年に、マネジメント管理に役立つツールの選定を開始。その中で選定候補として浮上してきたのがノーコード開発ツールの「CELF」だった。
「多様な管理業務を抱える当社として、ある程度“手作り”でさまざまな管理ツールをつくれる環境が必要ではないかという意見が上がりました。また、従業員のほとんどが開発ではなく運用業務に携わっていたのでコード作成のような複雑な操作を必要とせず、Excelの知識があれば開発できる点が、CELF選定の大きなポイントになりました」(葛岡氏)
そして2023年7月に全社的なCELF導入が決定し、人員拡大前の全従業員、約300名にアカウントが配布され、運用が開始されることになった。同社においては従業員のほとんどが各種サービスの運用における管理業務に携わることが多いための決断だった。
ファイルの一元管理と業務を止めないCELFアプリ開発が実現
まず同社では、元々行っていた業務のうち「インシデント管理」「資格・スキル管理」「プロジェクト定期情報管理」「営業管理」を対象に、全社横断のタスクチームをつくってアプリ開発を進めていった。
「各チームや分室で、管理業務の中で自動化できるものはCELFを使って自動化していこうという動きも始まっています」(葛岡氏)
そしてCELFでのアプリの運用が始まってから、これまで社内で分散していたファイルの集約化が実現した。
「Excelでの管理と大きく異なるのは、データの同時共有や同時更新が可能なところです。かつては分室からデータをメールで送ってそれが共有や承認から漏れたり、といったこともありましたが、そういった問題も解決しています。また承認についてはワークフロー機能を利用し、その際は印鑑を排したデジタルな手法を優先しています」(葛岡氏)
さらに、CELFの全社導入による効果として従業員、特に若手社員に対して学びの機会を与えられたのもメリットになった。
「いくつかのアプリ作成においては全社で横断的なタスクチームを編成して開発プロジェクトを立ち上げたのですが、そのメンバーには若手社員をアサインしました。もちろん社員はITに精通していますが、開発に長けているわけではありません。先にも述べましたがCELFはExcel知識がさえあればアプリを作成できるため、若手社員に開発の機会を与えるとともに、現業についての理解と整理、改善を学べる、大変貴重な経験となったでしょう」(葛岡氏)
なお、CELFアプリの開発においては通常の業務に影響を及ぼすことなく進められた点も大きな利点になった。
CELF RPAオプションツール導入してさらなる業務改善を進める
今後は、CELF RPAオプションツールの導入と活用によって、管理業務の自動化を進めて行くことを目標としている。
「当社の業務は非常に多岐にわたるため、各プロジェクトで要求することがまったく異なります。だからこそ単純な入力作業をできるかぎり自動化することで、人が対応すべき作業に時間を使えるようにしていきたいと考えています。これを実現するために、プロジェクトによってはCELF RPAオプションツールの活用による管理業務の効率化、自動化を目指しています」(葛岡氏)
なお、全社的にCELFを利用することでの課題点として、データについて閲覧や編集といた「権限」の問題を今後は解決していきたいという。経営に関わる重要なデータや分室の顧客先に関わるデータは慎重に取り扱う必要があるからだ。
「当社のような、あちこちにロケーションが分散している業務形態が多い企業の場合、管理業務に関わるデータがどこにあるかというところが不透明になりがちです。そういったデータを一元管理する目的でのCELF導入は有効でしょう」(葛岡氏)
今後、さらなるCELFの活用によって同社の管理業務の最適化が進むことが期待される。
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