手作業に依存する採算予実管理をCELFで大幅に改善
Excelライクな操作性はそのままにスピーディかつ
容易な開発・管理を実現
株式会社マイクロメイツ
業種: 情報処理業
対象部署: 全部門
対象業務: 採算予実管理、社内講座管理
ユーザーの声に応えるべく社内の採算予実管理の改善に着手
TISインテックグループの一員であるマイクロメイツは、「ユーザー定着化支援」「マニュアル作成」「コンタクトセンター」の3つの領域で包括的なソリューションサービスを提供し、IT利用環境の向上を求める企業を支援している。
そんなマイクロメイツでは、Excel文化が根付いており、それが原因でさまざまな非効率が生まれていたという。当時、経営企画部を統括していた企業本部の佐野進一郎氏は、Excelによる課題について以下のように話す。
「これまで採算予実管理については、部門ごとにExcelで個別管理しており、経営の見通しを立てる際には、まず各事業部門の担当者にメールで依頼し、数値データを提出してもらってから、経営企画部で集計・管理する必要がありました。そのため、依頼を受けるたびに各事業部で数値データをまとめる作業が発生し、時間と手間がかかっていました。また、依頼をするタイミングは月1回程度なため、リアルタイムにデータを見ることができず、グループ単位での詳細なデータは見えていませんでした。このように正確な採算予実管理を実現するうえでは、Excelでは限界を感じていました」(佐野氏)
このような課題を持っていたマイクロメイツだったが、顧客からのある要望が転機となり、煩雑だった採算予実管理の改善に取り組むことになる。
「とあるお客様から、CELFでアプリ開発による業務改善に取り組みたいというご依頼をいただきました。CELFをいきなり実運用するのは難しいため、マイクロメイツで具体的にどのように活用できるのか試したうえで、活用ノウハウなどを教えて欲しいという内容であり、その要望に応えるべく、経営企画部主導のもとCELFを使ったアプリ開発を実践することになったのです。これをきっかけに煩雑になっていた採算予実管理を改善し、CELFの社内事例を作ることで、お客様に最適な提案ができたらと考えました」(佐野氏)
ノーコード開発の特徴を生かし、 わずか約70時間で
操作習得からアプリ作成、実運用まで至る
CELF活用の依頼を受けて自社の課題解決に取り組み始めたマイクロメイツだが、これまでCELFの導入経験がなく、経営企画部もITの専門部署ではなかったため、アプリ開発の部分で不安を抱いていた。
CELFを導入した2019年当時、経営企画部に所属していた人事総務部 担当の西井絹子氏は、「CELFを使うのは初めてでしたが、慣れ親しんだExcelのように操作でき、専門的なプログラミング知識も不要なので、ヘルプやチュートリアルを参照することですぐに使い方を覚えられました。もちろん苦戦した部分もありましたが、SCSKのサポートもあり、楽しみながらCELFでアプリを作れました」と振り返る。
こうして採算予実管理向けのアプリが完成したものの、社内の経営計画を担うものだけに誤りがあればその影響が大きくなるため、アプリ品質を高めることは必須要件だったという。
「アプリ品質を高めるために、SCSKが開催している対面形式の相談会に参加し、作成したアプリを実際に講師に評価してもらうことにしました。その結果、講師のお墨付きをいただいたため、実運用への適用を決めました。豊富な知識とノウハウを持った第三者から評価してもらったことで、大きな自信へとつながりました」(西井氏)
なお、CELF習得に要した時間は、ヘルプやチュートリアルでの学習、相談会への参加などがおよそ22.5時間。その後はアプリ設計に8時間、テーブル設計に6時間、シート作成に10時間、アクション作成に14時間、テストに5時間と、計68.5時間でアプリの実運用に至るなど、スピーディな展開が実現している。
採算予実管理の効率化を実現し、社内文化の形成にも寄与
マイクロメイツでは、さっそく完成した採算予実管理を社内に展開。その操作性を評価する声も多いという。
「CELFはUIが普段使い慣れたExcel画面にそっくりで、操作性もExcelに近いため、新たにユーザーに教育する必要がなく、社内への浸透もスムーズでした。当社はSharePointを利用していますが、SharePoint上のExcelを操作するよりも動作が速く、操作性も良いと好評です。また、Excelからデータを貼り付けることができるため、データ入力や更新が格段にスピードアップしました」(佐野氏)
以前までは、メールを駆使してExcelデータを収集し実績見込みを出していたが、各部門の担当者がサイトにデータを入力するだけで簡単に予実を参照できるようになった。これにより、データやファイルの結合をはじめるとする整形作業が不要となり、数式や関数のミスも大きく削減された。
「CELFによる効果は確実に出ており、部長職では1週間につき30分、グループ長は1週間につき30分~1時間の作業工数が削減されたほか、データ集計を担当する経営企画部門でも作業工数削減と負担軽減が実現しました。また、従来は集計できなかったグループ単位での予実も管理できるようになったことも、大きな導入効果といえます。なお、CELFによって生まれた時間を本来業務への集中に回すことができるようになっています」(佐野氏)
またCELF導入当初は現場で活用されるか心配だったが、その不安も現在では解消されている。
「ノーコード開発が可能になったため、機能追加や要望などがある場合でも、社内の開発者に依頼を出すことで、スピーディに対応してもらえるようになりました。またアプリの使い方が分からない場合でも、社内の開発者からすぐに操作方法を教えてもらえるため、すぐに業務利用をはじめることができます。このような特徴から、今では『CELFに入力しておいて』という言葉が社内で飛び交うようになるなど、共通言語としてCELFの社内定着化が進みました」(西井氏)
さらなる業務効率化に向けCELF開発者の育成を推進
マイクロメイツでは、最初に依頼があった企業にもCELFを使った採算予実管理をアプリケーションとして提供。こちらも高い評価を得ることができたとのこと。これらの導入が成功したことを機に、例えば、西井氏が現在所属する人事総務部でもeラーニングの空き講座を確認するために使われるなど、複数部署でCELFを使ったアプリによる業務効率改善が進められるようになった。
今後マイクロメイツでは、エンジニアではない現場担当者でもアプリ開発ができるように、CELFの利用拡大を検討。さらなる業務効率化と利便性の向上を目指している。
「今後は、Excelの利便性に難を抱えるお客様に向けてCELFを使ったアプリケーションを提案し、作業効率化を支援できればと考えています。新しいビジネスを生み出す存在として、これからもCELFを広く活用していこうと思います」(佐野氏)
顧客に寄り添ったIT支援を手がけるマイクロメイツにとっては、CELFは新しいビジネスを生み出す発信源となる可能性を秘めているに違いない。
企業情報
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1989年に設立したマイクロメイツは、企業向けPC導入・活用に関するコンサルティング、PC操作研修から事業をスタート。その後、コールセンター運用、PC利用のヘルプデスクなど、IT導入にまつわるユーザーの困りごと全般を解決するなど、ITを軸にした支援事業を幅広く展開。2016年にはTISインテックグループに加わり、現在はグループの基本理念である「OUR PHILOSOPHY」の実現に注力している。