小学校でプログラミング教育が必修化されるなど、今後の社会においてエンジニアだけでなく様々な職種の人にプログラミング的思考(※1)が求められています。
現在、すでに働いている人においても、業務のIT化が進む中で、より効率的に業務を遂行するためにプログラミングの知識が必要という方も多いのではないでしょうか。プログラミングを学習したい方が、独学で勉強を進める場合、どの様に学習を進めていけばよいのでしょう。
この記事では、プログラミングを独学で進める方法、独学の際の注意点を解説します。
(※1)プログラミング的思考とは……
自分の意図を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力
【参考サイト】
文部科学省「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」
プログラミングは独学で勉強できる?
私たちが普段利用するアプリやWebサービス、電化製品などは、コンピューターをプログラミングで制御することにより動作しています。私たちの身の回りいたるところにあるプログラミングですが、習得し使いこなすためには高度な知識が必要とされています。
はたして、プログラミングを独学することは可能なのでしょうか。
結論から言えば、プログラミングを独学で習得することは可能です。
近年では多くの書籍やWebサービスによってプログラミングを学ぶ環境が整っており、学ぶことのできるプログラミング言語も豊富です。
どの言語を学ぶ場合においても、プログラミングの基礎知識を身につけることは独学でも可能といえるでしょう。
独学でのプログラミング学習の進め方
ここからは具体的に独学でプログラミングを習得する際の学習の進め方を解説します。
書籍やWebサイトなどで基礎を学ぶ
プログラミングを独学する場合、どの言語に取り組むか選択しなければなりません。
言語ごとに特徴やできること、学習の難易度は変わってくるため、まずはプログラミングを学んで何を実現したいのかを明確にしましょう。
例えば、
- PHPを学んでブログサービスを作りたい
- Pythonを学んで自動化をしたい
- JavaScriptを学んでリッチなWEBサイトを作りたい
など、目的が決まれば言語もおのずと決まるはずです。
言語を決めたら、初心者向けの書籍やWebサービスなどを活用して基礎知識を身に着けます。書籍を選択する際は、一度中身を確認した上で、理解しながら進められるかをチェックすることが重要です。
また、プログラミング学習のWebサービスとしては、Progateやドットインストールが有名です。無料で受講できるサービスですので、まずはここから始めてみてもよいでしょう。
【参考サイト】
- 「Progateの」公式サイトはこちら
イラスト中心のスライドで、初心者が簡単にプログラミングを学べるサイトです。 - 「ドットインストール」の公式サイトはこちら
3分の動画でサクッと楽しくプログラミングを学べるサイトです。
どちらのサイトも、無料で利用できるのは一部コンテンツに限ります。
実際に手を動かしてみる
プログラミングは仕組みを覚えるだけでは習得できません。
プログラミングを習得するためには、書籍を読むだけでなく、実際に手を動かしてコーディングすることが重要です。手を動かし、処理を実行することを繰り返すことで、知識と経験値が身についていきます。
まずは、言語ごとの文法、変数・条件分岐・繰り返し処理・関数(サブルーチン、メソッド)などの基礎的な部分を身につけるところから取り組むと良いでしょう。
教材に記載されているコードを想定通りに動かすことができたら、その内容を少し改変して動きがどのように変わるのか、また他の記述で同様の処理ができないか、など創意工夫を行ってみましょう。このような自分なりの創意工夫がプログラミングを理解する上で重要になってきます。
アプリやWebサイトへの組み込みを行う
ある程度学習を進めたら、実際にアプリやWebサービス・Webシステムなどを作ってみましょう。はじめは複雑なものではなく、簡単なものがオススメです。
実際にプログラミングを進めていくと、想定外のエラーが頻発します。エラーのある箇所を特定し、プログラムを修正することを繰り返すことでプログラミングの力が伸びていきます。
開発作業は常にエラーやバグとの戦いです。小規模でアプリなどの開発を進めることで、「なぜエラーが発生したのか」「どこを修正すればよいのか」「もっと効率よくコーディングできないか」といったことを考える必要があるため、知識が増えていきます。
現時点で特別作りたいものがないという方は、既存のアプリ・Webサービスを模倣すると良いでしょう。例えば、「Twitterのような短文を投稿するWebサービスを作ってみる」などです。
プログラミング学習において、何かしらのアプリ・サービスを開発することはプログラミングを習得する上で必要不可欠です。
プログラミングを独学する際の注意点
ここでは、プログラミングの独学で最も注意すべき2つの点を紹介します。
冗長化を避ける
実際にコーディングを進めてみると、特定の処理を実現するための書き方は何通りも存在することがわかります。
業務で行うプログラミングでは、できるだけ他の人にも分かりやすく、修正がしやすい書き方が望ましいとされています。
将来的に仕事としてプログラミングを行う場合、複数人で開発を行うことが一般的です。その場合に、独りよがりな書き方をしていると読みづらく、冗長なコードになってしまいます。そうならないためにも、一般的でない記述は避け、その開発現場のコーディング規約や書き方に関するルールを意識することが重要です。
プログラミングの習得を「目的」にしない
プログラミングの習得はあくまでも「手段」であり「目的」とならないように注意してください。「アプリやWebサービスを作る」というための手段です。
私たちが日本語の「すべて」を理解して利用していないように「プログラミングのすべてを理解し尽くす」ことは現実的ではありません。覚えておくべき基本とある程度の応用を身に着けたら、都度インターネットや書籍、フォーラムなどで情報収集を行い、プログラミングに盛り込んで解決できるか繰り返す、という姿勢が必要です。
プログラミングできなくてもアプリ開発ができる
プログラミングはエンジニアだけでなく、多くの人にとって必要とされるスキルになりつつあります。近年では多くの書籍やWebサービスが存在するため、プログラミングの独学を検討してみてはいかがでしょうか。
プログラミングの独学は可能ですが、習得までにはある程度の時間と手間が多くかかります。昨今はプログラミングができなくてもアプリなどを開発するローコード開発やノーコード開発にも注目が集まっているため、これらに関しても留意しておくとよいでしょう。
ローコード開発はコーディングを極力なくした開発手法であり、ノーコード開発は一切コーディングをしない開発手法です(※2)。
ノーコード開発・ローコード開発のためのソリューションとしては、Excelと同じ感覚で業務アプリが開発できる「CELF」がおすすめです。CELFを利用すれば、予算実績管理や見積もり・案件管理・ワークフロー、ナレッジマネジメントなどのさまざまなWebシステムをプログラミング言語の知識がなくても開発できます。
プログラミングの習得には時間と手間がかかるため、CELFのようなローコード開発ソリューションでプログラミングやアプリ作成の考え方に慣れてから、その他の言語に挑戦することを検討すると良いでしょう。
30日間の無料トライアルもございますので、業務効率化や業務アプリの作成でお悩みの方はお問い合わせください。
(※2)ローコード、ノーコードについてさらに知りたい方は、こちらも合わせて読みください。