Excelは集計や計算などを行うためのアプリであり、業務においてさまざまな場面で活用されています。請求書などの作成だけでなく、在庫管理などの管理業務においても活用可能です。Excelを使えば煩雑になりやすい在庫管理の効率化も実現できるでしょう。
この記事では、Excelで在庫管理を行う際のポイントや、メリット・デメリットについて解説します。
在庫管理をExcelで行う際のポイント
Excelを使用して在庫管理をする際のポイントは、大きく2つあります。
エクセルで作成できる在庫管理表の種類
Excelで作成できる在庫管理表には「単票タイプ」「在庫移動表タイプ」の2種類があります。
単票タイプ
単一の商品を管理するもので、品番や商品名に対して、横軸に出庫数、入庫数、残数といった項目、縦軸に日付を設けます。比較的容易に作成でき、運用も簡単という特徴があります。
在庫移動表タイプ
縦軸に品番や商品名、横軸に日付を設けて作成した表です。一つの表で複数の商品の在庫管理ができるため、全体の在庫状況を把握できるものになります。
Excelで在庫管理を行う際に使用する関数
Excelで在庫管理を行う際には様々な関数を使用します。
在庫管理の運用方法によって、使用する関数の種類は増えますが、下記の3つの関数はどのような運用方法・管理表でも使用する、基本的な関数になります。ぜひ覚えておきましょう。
関数名 | 用途 |
---|---|
VLOOKUP関数 | 検索条件に一致する値を返す関数です。製品のマスタ情報を他のシートに保持し、製品コードを元に名称を取得する際などに使用します。 |
IF関数 | 設定した条件により、処理の内容を変化させる関数です。在庫の数に応じてセルの表示を変える処理などに使用します。 |
SUMIF、SUMIFS関数 | SUM関数の発展形となる関数で、設定した条件に合致したもののみ数値を合計する関数です。一定期間内の累計の入庫数/出庫数などを求める際に使用します。 |
在庫管理をExcelで行う際のメリット
Excelを使って在庫管理をする場合のメリットとして、次の2つが挙げられます。
コストがあまりかからない
パソコンを使用して業務を遂行するにあたり、Excel・Word・PowerPointなどのOffice製品は必須ともいえます。コンピュータにはExcelを含むOffice製品が導入されている場合が多いでしょう。
Excelを使って在庫管理表を作成すれば、別途在庫管理のためのアプリを導入する必要がありません。表計算ソフトであるExcelは管理表などの作成にも向いているため、在庫管理をはじめとするさまざまな管理業務に活用されています。
なじみがあって使いやすい
前述の通りExcelを含むOffice製品はオフィスワークの必需品であり、多くの方がその操作に慣れています。Excelを使った在庫管理では、Excelの操作方法さえ知っていれば誰でも利用できます。
新規に在庫管理用のアプリを導入する場合、専用アプリの操作方法を覚える必要がありますが、Excelで作成すればその手間を省けるでしょう。
また、紙を使った在庫管理とは違い、データの入力・編集もカンタンに行える点もメリットの一つです。
在庫管理をExcelで行う際のデメリット
Excelで在庫管理をする場合、次に挙げる点には注意が必要です。メリットと併せて次のデメリットも理解した上で、在庫管理を進めるとよいでしょう。
複雑なデータ、膨大なデータには対応しづらい
Excelは扱えるデータの量に制限があります。Excel2019の場合は約100万行×16,000列であり、32bit版ではファイルサイズ2GBまでです。これだけ見ると大量のデータも扱えそうですが、データ量が多くなるほどExcelの処理は重くなります。
また、在庫管理表のなかで、複雑な処理を実施しているときも重くなりやすく、入力されるデータも複雑なものは処理しづらい傾向にあります。
そのため、Excelで在庫管理を行う場合には、複雑なデータや複雑な処理、膨大なデータを取り扱うことには向いていないといえるでしょう。
共同編集がしづらい場合がある
在庫管理は複数拠点でリアルタイムに作業を進める事も考えられますが、Excelで在庫管理表を作成した場合には共同編集がしづらい場合があります。Excelにも共同編集のための機能は存在していますが、データの整合性を保つための仕組みとしてはそこまでよくできたものではありません。
例えば、AさんとBさんが同じ項目を編集する場合、データの整合性を保つためにExcelファイルをロックして、片方が編集できない状態で編集を進める必要があります。そうすると誰かがファイルを開いている場合には編集出来ず、利便性が落ちます。
また、ファイルの保存場所も編集者同士で共有しておかなければならず、誤ってファイルを削除してしまうなどのリスクもあるため、共同編集はしづらいと思ってよいでしょう。
在庫管理専用ソフトと比べると機能が少ない
Excelは、在庫管理専用ソフトと比べると機能が充実していない可能性があります。
例えば、以下のような機能が不足しています。
- 入力データのチェック
- ハンディ端末やPOSレジとの連携による在庫とデータの同期
- 履歴管理機能
など
Excelだけを使用しての在庫管理には限界があるといえるでしょう。
Excel感覚で在庫管理アプリの開発ができる「CELF」
Excelは馴染み深いアプリであるため、カンタンな在庫管理であればコストも掛からず容易に作成できます。しかし、中規模以上の在庫管理や複雑な処理などを実現したい場合にはExcelだけでは難しいでしょう。
Excelで複雑な処理を実現したい場合は、マクロやVBA(Visual Basic for Application)を利用しなければなりませんが、特にVBAはプログラミングの知識が必要であるため難易度が高くなります。
このようなExcelのデメリットを補いつつ、メリットをそのまま活かせるソリューションが「CELF」です。CELFはExcelのような操作で業務アプリをカンタンに作れます。ExcelであればVBAを用いなければ実現できないような機能も、CELFならノーコードで画面上からドラッグ&ドロップの操作のみで実現可能です。
作成した在庫管理表は業務アプリとして利用できるため共同編集も容易になり、最適な在庫管理を実現できます。 CELFは在庫管理だけでなく、さまざまな業務の効率化に役立てられます。Excelと同じ感覚でノーコードのプログラミングが実現でき、カンタンに業務アプリを作成可能です。
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