スマートフォンの普及などにより、ECサイトやアプリでのショッピング、SNS、動画サイトでの動画の視聴など、私たちの生活のなかにWebアプリ・Webサービスの存在はなくてはならないものとなりました。
また、仕事においても、クラウド上で動くドキュメントや、社内チャットツール、オンラインの画像編集ツールなど、パソコンへのインストールが不要で、インターネット上だけで操作できるWebアプリを業務システムとして活用する場面も多く登場しています。業務の効率化のために、Webアプリの開発をしたいと考える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、Webアプリの開発に必要な言語やツールについて紹介します。
Webアプリの開発に必要な言語
Webアプリの開発にはプログラミング言語が欠かせません。プログラミング言語にはさまざまな種類が存在しますが、そのなかでもWebアプリの開発に向いている言語をカンタンに紹介します。
PHP
PHPは、同一フォーマットで内容が異なる、プログラムによって自動で出力される「動的」なWebページを生成するためのサーバーサイドのスクリプト言語です。具体的にはブログの記事ページや、ショッピングサイトの商品詳細ページ、掲示板など、サイトの管理者やユーザーが入力した内容により表示内容が都度変化するようなページが該当します。サーバーサイドとは、クライアント側ではなくサーバー側で動作するものであり、データベースのアクセスや処理結果を返す役割を持ちます。
PHPは仕様や文法が比較的簡単なため初心者でも学びやすいプログラミング言語の一つであり、世界的に利用されているブログシステムのWordPressの開発言語として有名です。
Java
Javaは、昔から使用されている歴史のあるプログラミング言語で、使用できる環境が多様であり、昔から使用されているため人気と需要があります。
また、Javaは「オブジェクト指向」の言語であるという特徴もあります。
「オブジェクト指向」を簡単に説明すると、ゼロからプログラムを記述するのではなく、プログラムにより「操作対象となる部分」や「処理の内容」をパーツとして扱い、それらを組み合わせて動作させるプログラム言語のことを言います。
また、後述のJavaScriptと名前が似ていますが、別のプログラミング言語ですので注意が必要です。
JavaScript
JavaScriptは、PHPと同様に動的なWebページを作成するためのプログラム言語であり、PHPとは異なりおもにフロントエンドで動作します。フロントエンドはサーバーサイドと対をなす言葉であり、クライアント側(ブラウザ)で動作するものです。
JavaScript単体では複雑な処理を実現することは難しく、PHPやHTMLなどと組み合わせて利用されることが多いといえるでしょう。しかし、近年ではReactやjQuery、Vue.jsなどのフレームワークも充実しており、さまざまなWebアプリ開発で利用されています。これらのフレームワークは、JavaScriptをよりプログラミングしやすいような形のパーツに分けることで、デザイナーなどプログラマー以外の人でも、簡単にプログラミングができるようにしたものです。
Ruby
Rubyは日本人が開発し、1995年に登場したオブジェクト指向のスクリプト言語です。日本製であるため日本語の情報も豊富に存在しており、わかりやすくシンプルな構文であるため初心者でも学びやすい言語となっています。
RubyはWebアプリ開発だけでなく、スマホアプリの開発などにも利用できる汎用性の高さが特徴の一つです。RubyでWebアプリ開発を行う場合には、「Ruby on Rails」というフレームワークが利用されることが多く、食べログなどの大規模なWebアプリもRuby on Railsで開発されています。
Python
Pythonは1991年に開発されたオープンソースのプログラミング言語です。シンプルでわかりやすい構文、豊富なライブラリ・フレームワークの存在が特徴であり、非常に汎用性も高いことから近年非常に人気の高い言語となっています。
Webアプリの開発はもちろんのこと、近年ではAI・機械学習の分野で活用されることが多く、デスクトップアプリやスマホアプリの開発も可能です。
Webアプリの開発に使用できるツール
Webアプリを開発する際には、プログラミング言語と併せて覚えておきたいツールがいくつか存在します。
統合開発環境
統合開発環境(IDE)は、エディター・デバッガー・ビルドの自動化などの開発のための機能がひとまとめにされているソフトウェアです。
以下が有名な統合開発環境です。
- JavaをはじめPHPやPythonなど様々な言語で使用できる「Eclipse IDE」、Eclipse
- PHPやRubyで使用できる「NetBeans」
- Pythonで使用できる「PyCharm」
それぞれの言語に適した統合開発環境があります。アプリ開発にまつわる多くの作業、コーディングやテスト環境の構築、デバッグと多くの作業をスムーズに行うために、必要な機能が一つのソフトウェアに統合されています。
コーディングをする際に自動的に保管する機能などもあり、統合開発環境を用いることで開発の効率を格段に向上させることが可能です。
ノーコード開発ツール
ノーコードという名前のとおり、コーディングをせずにアプリ開発を行なうためのツールです。通常、アプリ開発にはコーディング(プログラミング)作業が必須です。しかし、ノーコード開発ツールを使えば、画面上から必要な処理を組み合わせるだけでプログラミングが実現できます。
一般的にプログラミングのためには、各言語の構文を理解した上で必要な命令を記載しなければなりません。その場合、定められたとおりに命令文などを記載する必要があり、慣れないうちはそれらを覚えるだけでも多くの労力が必要となるでしょう。
ノーコード開発ツールを使えばそのような労力を削減でき、専門知識を持っていなくとも直感的に開発を進められるようになります。